
黒沼神社
- 福島 金沢黒沼神社 -



黒沼神社とは

古事記の一節にも名を残す黒沼神社は、鎮座約1300年と伝えられ
日本武尊(ヤマトタケルノミコト)
沼中倉太珠敷命(ヌナクラノフトタマシキノミコト、三十代目天皇 敏達天皇)
をお祀りする神社です。

古事記本文献にも記載されている『延喜式神名帳』に名前の残る、『陸奥國 信夫郡 黒沼神社』の論社の一社で、山の中の総社 延喜式式内社でもあります。
国の重要無形民俗文化財の指定を受ける『金沢の羽山ごもり』と、
四月の例大祭では県の重要無形文化財である『黒沼神社 十二神楽』が執り行われます。
出羽三山神社をお創りになる時に建てられた羽黒二十一社の一社とも言われ、
お祭りは全て旧暦の暦で行われています。
伝説や由緒は様々あり、多くの書籍にも残される、古くからの神道の伝承が受け継がれる神社です。
・日本祭祀研究集成 第三巻 祭りの諸形態1 北海道・関東編(岩崎敏夫/三隈治雄 編)
・まぼろしの古里 金沢の伝説と伝承 民俗八十八話集(渡辺安次郎 著)
・重要無形民俗文化財 金沢羽山ごもり(後藤輝夫 著)
祭典と行事
- 2020年度(2020-2021) -
当神社の祭典に関しての該当は旧暦となりますが、現在はその該当日前後の休日としています。

4月3日(金)
黒沼神社例大祭
4月4日(土)
神輿渡行
4月5日(日)
御神楽奉納
4月12日(日)
湯ノ花神祭
4月26日(日)
白狐稲荷神社祭
4月26日(日)
山王神社祭
5月3日(日)
神明宮御膳献上祭
5月3日(日)
神明宮祭典
5月4日(月)
黒沼神社御膳献上祭
5月4日(月)
雷神社外末社祭典
6月28日(日)
愛宕神社祭典
6月28日(日)
黒沼神社元祭り
7月26日(日)
黒沼神社 夏越際 (なつこしさい)
人形(ひとがた)を利用し常日頃の罪・けがれを清め、葦のかんむりを頭にかぶり疫病などを予防する大切な神事。
8月30日(日)
送神祭 (かみごとおくり)
古い神事で神社の大本殿とお寺の大本殿を用いての祭礼。
悪魔退散・疫病除けの厄払い、精霊流し、御霊送りの神事として行っている。
(仏壇のお飾りを持参し、見送る)
9月27日(日)
八幡神社祭典
〆縄を作成し、お供物を供えて祭典を行う。
国の重要無形民俗文化財である『羽山ごもり』の神事では大神様から盗難についてのお告げがある。
9月27日(日)
諏訪神社祭典
〆縄を作成し、お供物を供えて祭典を行う。
国の重要無形民俗文化財である『羽山ごもり』の神事では大神様から災難についてのお告げがある。
11月23日(月)
新嘗祭
収穫の秋に豊かに稔った新穀を神前に供え、神様の恵みに感謝するお祭り。
12月30日(水)〜1月1日(金) 《旧暦 11月16日〜18日》
羽山ごもり -国指定重要無形民俗文化財-
女人禁制、男性は家族と離れこもり屋にこもる。神明井戸で身を清め、別火生活を送り、羽山で五穀の吉凶から一年間の気象・災難等々を占う神事。水ごおりをとらないと参加できない。
一日目 「ヨイサー」田遊び
二日目 お山がけの準備と餅つき
三日目 羽山の神の託宣を受ける
※羽山の山には翌年まで決して立ち入ることができない。
2021年1月1日(金)
黒沼神社 新年祭(元旦祭)
〆縄を作成し、お供物を供えて祭典を行う。
年の初めにあたり五穀豊穣と氏子の安泰を祈り、さらに諸産業の繁栄を祈るお祭り。
2月3日(水)
節分祭
春を迎えるにあたり、災難の元である悪鬼を祓い家に入らないようにする祭で、いろいろなお札や幣束がある。
2月11日(木)
紀年祭
建国記念の日として神武天皇祭を行う。
2月11日(木)
入道神社祭
他地区より自分の金沢の土地にまつられている神様に災い・病難・災難や盗難などが入らないよう守って頂く祈願祭。
金沢の羽山ごもり
- 国指定重要無形民俗文化財 -
平安時代、神社近くに大きな蟹や大蛇が生息し人々に害を与えていたため、神社にこもり神のお告げを得てようやく退治することに成功したことから始まったと伝えられています。
千数百年の間、農民が神の託宣を受ける祭事として古来の原型に近い様式のまま伝承されているため、重要無形民俗文化財として国から指定を受けています。
また、大きな蟹が生息していたということで蟹沢(かにさわ)と呼ばれていたのが転化して現在の地名『金沢(かねざわ)になったとも云われています。
神社にこもる神事のため、神明井戸で朝夕身を清めてからでなければこもり屋や羽山に立ち入ることができず、参加者も男子のみとされています。
現在は旧暦の11月16日〜18日に執り行われます。
初日目の夜に五穀豊饒を祈願して行われる『ヨイサの儀』は、田植えを行い豊作するまでの一連を行い予祝するお祭りとされ、見学することも可能です。

金沢の羽山ごもりは、古代より連綿と持続せられている、極めて古典的な神事である。羽山ごもりは本宮黒沼神社の起源によるものであって、信者は黒沼神社社務所におこもりをなし、どう神社の御垂水(神明井戸)によって心身を清浄ならしめ、ただただ大神の御取子となることを自覚し、同族の繁栄国家の安全を祈願するものである。
本宮黒沼神社は、大字金沢一円の氏神であって、金沢字宮前に鎮座する。祭神は欽明天皇皇子渟中倉太珠敷命を祀る。大正十五年十二月一千年記念祭典を執行した。
由来金沢郷は、往古は山の内と称し、宮人の落人によって開拓された土地と言うが、当時の状況は知る由もない。伝える所によれば、治安元辛酉年、神社より南方七百メートル位の所に蟹沢という山間の部落があるが(現に蟹沢という屋敷あり)ここに径八尺以上の大蟹が棲息し、農作物はもちろん人畜に至るまで甚大な被害を蒙った為に、当時の在家七軒がこれを退治しようと、一同黒沼神社におこもりをなし、神の稜威によって、無事退治し得たという。よって山の内郷を改めて蟹沢村としたという。しかして同年在家七軒相はかり、八月十五日、降日峰より(現在堂平と称し山手神社が鎮座されているが、往古黒沼神社の境内地と見られる敷地がある)南方四百メートルの地より現在の地に奉遷したと記録されている。鳥羽天皇の御代保安二辛丑年(1121年)に至り、字愛滝(現在鮎滝)という阿武隈川沿岸の川原に大蛇棲息、これまた害を与えたので、在家は協議の結果、黒沼神社におこもりをして、退治することが出来た。これが羽山ごもりの起源とされている。
〜『金沢羽山ごもり由来記』 (半沢正富著)より抜粋

金沢黒沼神社の十二神楽
- 県指定重要無形民俗文化財 -
黒沼神社十二神楽は、黒沼神社の祭礼に奉納するため元和3年 村人五名を江戸に遣わし修得させ、後に二見より師匠を招き修練させ祭礼に奉納したのが起源とされています。
以来今日まで、盛衰がありながらも連綿として 保存・伝承され、4月3日・4日の(現在第一土・日曜) 黒沼神社の祭礼に奉納されています。
この神楽はこの社独特に伝わる出雲流の神楽で、舞も拍手もしっかりした四方固めで演舞されており、文化財として高く評価されています。
第六十回伊勢神宮式年遷宮(昭和48年)には 県代表として十二神楽を御奉納。
昭和55年3月28日、福島県より重要無形民俗文化財の指定を受けています。



ご参拝・ご祈願される方へ
黒沼神社では、ご家族皆様の幸せを願う家内安全、身体安全祈願をはじめ、厄祓い、受験生の合格祈願、会社の隆昌を記念する社運隆昌、商売繁昌祈願など随時執り行っています。
- ご参拝時のお願い -
境内では、以下の行為を禁止しています。
神域を守り、皆様が気持ち良くご参拝できますようにご協力をお願いいたします。
・参道や車両通行禁止区域に車を乗り入れること
・境内に動物を連れて入ること
・昆虫等も含む動物を獲ること、持ち込むこと
・土や草花、木の枝、実などを採ること、持ち込むこと
・許可なく幟(のぼり)、旗、プラカードなどを掲げて入ること
・境内でスポーツ、歌や踊りなどを行うこと
・許可なく物品の販売や営業行為を行うこと
・募金、勧誘、宣伝、チラシの配布を行うこと
・許可なく映画やテレビ、宣伝用の撮影をすること
・危険物を持ち込むこと
・許可なく集会や言論活動を行うこと
・境内の秩序や風紀を乱すこと
・指定場所以外での喫煙や飲食
・その他、当神社が不適当と認める行為を行うこと
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